わが暮らしのふるさとも北海道も、十九世紀半ばの大量移民期から一世紀をけみし、
いよいよ、この土地ならではの一次文化を生活の中心にすえるべき時代に入りました。
他の文化圏の一次文化を移入することだけに甘んずる二次文化優先の時代は急速に終わりを告げつつあります。
北海道生まれの一次文化60%、他の文化圏から移入された二次文化40%のバランスをめざす新時代が幕をあけたのです。
そして、まさしく、北海道の大自然と人の出会いを、感動深い創作曲に表現し得た『遠音』こそは、
北海道文化新時代の地平線にさしのぼった純金の太陽にもまごう、音楽集団ということができます。
尺八、箏という伝統楽器と、ギターの組み合わせから、世界に類をみない新しい音楽美を創造し得た『遠音』こそは、
二十世紀後半の北海道がうみ出した世界文化の一つでなくて何でしょうか。
北の大地の無数の広がりにかかった美しい虹のアーチ………『遠音』の音楽は、
『グローバルに夢見て、地域で創造する』という人類の願いにそった、すばらしい芸術なのです。
原子 修(はらこ・おさむ)

