『遠音』こそは、二十世紀後半の北海道が生み出した世界文化のひとつ

〜〜〜 原子 修 〜〜〜<

 わが暮らしのふるさとも北海道も、十九世紀半ばの大量移民期から一世紀をけみし、
いよいよ、この土地ならではの一次文化を生活の中心にすえるべき時代に入りました。
 他の文化圏の一次文化を移入することだけに甘んずる二次文化優先の時代は急速に終わりを告げつつあります。
北海道生まれの一次文化60%、他の文化圏から移入された二次文化40%のバランスをめざす新時代が幕をあけたのです。
 そして、まさしく、北海道の大自然と人の出会いを、感動深い創作曲に表現し得た『遠音』こそは、
北海道文化新時代の地平線にさしのぼった純金の太陽にもまごう、音楽集団ということができます。
尺八、箏という伝統楽器と、ギターの組み合わせから、世界に類をみない新しい音楽美を創造し得た『遠音』こそは、
二十世紀後半の北海道がうみ出した世界文化の一つでなくて何でしょうか。
北の大地の無数の広がりにかかった美しい虹のアーチ………『遠音』の音楽は、
『グローバルに夢見て、地域で創造する』という人類の願いにそった、すばらしい芸術なのです。



原子 修(はらこ・おさむ)
 北海道函館市生まれ。24歳で『第一詩集』を出し、3年後『詩学』誌で全国に
紹介され、『鳥影』で北海道詩人賞、『未来からの銃声』で日本詩人クラブ賞を
受賞。詩集14冊他、評論集などを刊行。他に、詩劇の創作と上映も行い、北海道
芸術新賞など数々の賞を受賞。札幌市に住み、創作活動を中心に北海道詩人協会
会長、(財)日本ユニセルのボランティア活動など行う。詩人・札幌大学教授。